Trend-Blue

  ~懲りない傾向~

実は江戸前?

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giodon00フォッサマグナと長者ヶ原遺跡で時間を費やしたため、大半のお店は昼営業を終えたんじゃないかと恐る恐る糸魚川の町へ降りてくると、連休だからか季節を外しているからか、はたまたシャッター街化を避けられなかったのかのひっそりとした目抜き通りに、まだ暖簾のかかったそば処がありました。雪国独特の雁木がアーケードとなって連なる酒造の加賀の井は有名店ですが、倒産しかかったところに他所からの資本投入で存続しているとか。

giodon0BLUEらすかるを路上放置できないので、駐車可能なところにまわして「そば処 泉家」に入ります。築九十余年という店舗は土間のテーブル席を畳の桟敷と囲炉裏のある座敷が挟んだ、月並みですが蕎麦屋らしい趣。手すり付きの急な階段や柱時計、ぐい飲みやお猪口のコレクションが目を引きます。お品書きの「天抜き」「おかめ抜き」「板わさ」とかが目に留まり、意外にも江戸前な蕎麦屋なのかと思っていると「天ぷらそばの天ぷら抜き?」などととほほなことを言い出す娘ら。

giodon1家内は天ざる、娘らは天そばと注文を分けたので、もり、かけの「かえし」の違いを楽しめるよと、「抜き」の意味についても説明しながら、自分が頼んだのはとろろ丼のセット。これは糸魚川市が世界ジオパークに認定されてから町おこしとして売り出ししている「ジオサイト丼」のひとつなのです(それってもう江戸前関係ないじゃん)。三段重ねのひょうたんが出てきました。フレンチドレッシングのボトルがかなり場違いに見えてしまいます。

giodon2展開すると、とろろご飯、サラダ、蕎麦という構成。サラダには卵焼きが加えられていたのですが、あとで聞いたらここの厚焼き玉子は人気献立なのだそうです。蕎麦は機械打ちと手打ちを注文分けできますが、機械打ちでどれだけうまいかを知りたいと、そのままで注文したものです。かえしは、もり、かけの違いだけでなくもり、ざるでも別にしていることを、物腰のとても穏やかで上品なお母さんが教えてくれました。

giodon3蕎麦粉は妙高産と聞きました。二八でも独特の腰と硬さがある味わいでしたが、どこから見ても旅行者がもりを頼んでいたのに対して、明らかに地元の人が注文するのはかけ、という構図を見るに、これは夫婦で娘らに負けたかも。食材の風味といえばそこまでですが、とろろに関しては風味以上に土の味がきついのが気がかりです。北陸新幹線で他所からやってくるお客さんには「なんだこれ」と思われるかもしれない。

「天ぷらは大きくてさっぱりしていておいしい」

「あったかいお蕎麦はつるつるしてていいよ」

「ブラック焼きそばに行かなくて正解」(それはそれで問題発言)

家族は普段、蕎麦よりうどんなのですが、好印象で食べてこられたのが何よりでした。しかしジオサイト丼って、蕎麦だけではなく海鮮ものなど市内で21もあるらしい。これって通うことになるのか?