霙と出かける時にはたいてい意気投合してパスタを食うのですが、その手の店の所在を知らない街だと当たりはずれも含めて冒険するわけです。今回は街道沿いに巨大なイタリアンレストランの看板を見つけたのですが、店がどこにあるかわからない。
なんでだ? と首をかしげていたら、実は真横にある古民家がそれでした。
やー、これはやられましたよと入店すると、イタリアンなだるまさんが出迎えるではありませんか。なにやら少し前にパスタのコンクールで優勝した証だそうですが、思わず抱え上げたくなるような、前衛的な塗分け方です。おまけに建物の外見からは想像できない、どこからどう切っても洋食屋の内装。でもってこの時点で我々、店名を読み間違えていて「日仏伊同盟か」などと馬鹿なことを話していたのがこっ恥ずかしい。
2人とも空腹だったので、大盛りにしようかとオーダーになりますが念のため麺は何グラムでしょうか?と尋ねたら三百グラムとのことで、いかんいかんそこからの大盛りは食いきれんよと余計なことを言うのは慎みます。飲み物でもドリンクバーを薦められましたが丁重に遠慮して、逆に不思議な顔をされ、取り分け皿は持ち帰られてしまいました。出てきたパスタを見て、ほんとに余計なことを言わなくてよかったと恐れ入るのですが、実は三皿頼んでいるという・・・
親子して同じサーモンとクリーム系をオーダーしつつ、2人掛かりならどうにかなるだろうと、コンクールで優勝したという・・・ああっ、名前を忘れたミート系パスタが届くと、そんな食い方をする奴がいるのかという視線がちらほら。これはもう完食しなくちゃこの店出られねーぞと、戦いの火ぶたは切って落とされたのでした。が、うまいです。うまいですから残すわけなかろうと、一時間後には皿もグラスも、氷も残さず空っぽになりました(晩飯要らなかった)