「太陽の光が一ヵ所から来るのって、わざとらしいわね」
なんて言葉を17か18の娘っ子に、隣でつぶやかれたら、何を小生意気なことを!って思っちゃうだろうなあと考えることがあります。たぶん、軟弱者なんです。しかし素性を隠そうとするためとはいえ、おそらくは夜の、酒場のカウンターで真っ黒のサングラスをするような馬鹿っぽい小生意気よりは、なんぼかかわいらしい、と思っちゃった時点で、あー、オヤジってやだなーと自虐に陥るのでした。
今になって岩手のツーリングにさかのぼるのですが、めがねを新調して持って行きながら、初日は取り替え忘れて荷物の中に埋もれさせていまして、二日目にそれに気がついて取り替えて使っていたのが、2個目として作った「度つきの偏光レンズ」仕様。
つまり屋外で紫外線が多ければサングラスに変化し、室内や夜間は色が抜けるというやつです。ほんとは、ガーゴイルのプリメーラ、みたいなごっついサングラスがほしいんだけれど、田舎じゃ売っていない(というより、どこで売ってるんだろう?)ことと、流行の形のサングラスに度を入れられても、頭骨がでかいためにどれもこれも全く似合わないために、頑なにこの形のレンズに度を入れて偏光させねばならないのでした。
これが2個目と書きましたが、実は初日に使っていためがね(さらにいえば、ここのところ日常で使っているやつ)も、同じタイプの偏光レンズなのです。ところが、一時期乱視がひどくてそれように調整しなおした色のついていないめがねを多用して、偏光レンズのやつをケースに入れたまま一年ほど放置しておいたところ、これがどうしたことか、紫外線を受けても変化しなくなってしまったのです。
「ちくしょー、安物ってこれだから・・・」
と、値段のせいにして(するなよ)眼鏡屋さんにその理由を聞いてみたのですが、眼鏡屋さんの美人だから許すおねいさんは、説明ができませんでした。特にその後調べなおしてもいないので、そういうものなのか不良品なのかは不明のままです。ただ、数年前に作ったときは、なんだこの分厚いレンズはと驚いたものが、今回はけっこう普通の厚さというか薄さで出来上がってきたので、これは感心。でもやっぱり安物なので、ある日突然偏光しなくなるのかもしれません。