テクニックステージタカタで開催されるJXCD第4戦に向けて、Team WESTWINの準備も着々と進んでいます。
現在、いくつかのダート競技に参戦する中、彼らが最も力を入れようとしているのが、JXCD。川添・後藤両選手のパイロットする四駆それぞれに、クラス分けされているとはいえ無差別級に近い仕上がりの車たちが群雄割拠しており、レース自体は抜きつ抜かれつのデッドヒートこそないものの、目の当たりにするライバルのドラテク、見せつけられるタイムに対して、いかに闘志を燃やし、クレバーなパイロットに徹するかを要求されるのが、JXCDのタイムアタックです。
XCダートレースで苦戦を強いられた、彼らの耐久レース用パジェロミニと、JXCDに投入している川添選手のパジェロミニは、別の固体ですが、テクニックステージタカタのコースレイアウトは、世羅のフラットに近いおおらかなアップダウンとはいくらか異なり、旋回性能の限界を超えやすそうなトラップが待ち受けているようにも見えます。トレッドの小さなパジェロミニにとっては、まさに腕の見せ所といった感があります。
同様のことが後藤選手のエスクードにもあてはまり、こちらはトレッドが広いといっても、タイヤに無理が来ているらしく、トラクション、グリップともにぎりぎりの戦いになりそうです。実は第2戦の段階で、エスクードのストラットに関しては減衰力はほとんど無くなっていて、コイルとタイヤの性能でカバーしていたことが、島監督の談話で明らかとなりました。
「それ、いつわかったの?」
「いやほら、せめてショックくらい換えてやらんと。と、カヤバに入れ替えたときに抜き取った筒を見て、こりゃだめだわと」
さ、最近のことじゃないか(笑)
コイルスプリングに関しては、今回も純正部品を踏襲する予定ですが、ここへきて磯田選手からトライアルウインのキットを提供するという朗報も届き、過日福岡に出かけたあおいろさんからは、別のコイルも送り込まれ、選択の余地が出てきました。問題はそれらをどのように組み合わせるか、なのですが、とにかく硬い足回りにしてほしいという後藤選手のリクエスト。カヤバのショック以外は、みな「しなやか系」というのが複雑な選択肢になっていきます。
「彼はしかし、これだけの援護を受けられることが恵まれています。パーツのストックが得られるのはありがたいことで、彼の車に適さなかったとしても、うちで構想中の次のエスクードに活かしたいです」
後藤選手は、現在、ステアリングフォーメーションの改良という要望を出しており、監督はこれを足回りのセッティングで応じています。要は、クロカン志向の設計である初代エスクードのボール・ナット式ステアリング形式による、キックバックマージンが、ダートラの旋回においては応答性の悪さとなって現れるのです。トーの調整をどこまでやるか、監督は位置決めに何度もトライしているそうです。