Trend-Blue

  ~懲りない傾向~

うつろひ

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1994年にビッグマイナーチェンジを果たし、なんと2000ccという排気量、ほんとですか?のV型6気筒エンジン搭載に至ったエスクードのロングモデルには、ノマドのサブネームも継承されました。ノマドはTD01、11、31Wに与えられた名前で、その後の直4で2000ccのTD51W、V6で2500ccのTD61Wにはどうしたことか受け継がせてもらえなかった謎があります。

そのことはひとまず棚上げして、TD11Wを主力とした時代の宣伝用スチルも、ノマド=遊牧民のイメージを踏襲します。前年までのしっとりとしたイメージから、より遊牧民のフィールドにストレートに踏み込んだ絵作りをしています。

けれども、そのイメージはずいぶんと大味になってもいるような気がします。このスチル以外に、ショートモデルも含めたカタログカラー各色のエスクードを撮影したものが、カタログに収録されていますが、それらのすべてが、なぜか曇天のコンディションを強行して撮影されているようで、絵的にはぱっとしない不思議な仕上がりとなっているのです。そのうちの1カットは、まったく同じものが、幼児向けの自動車の絵本(正しくは写真の本です)にも流用されていました。

今にして思えば、エスクードのカタログに関しては、このころからコストダウンが始まっており、バブル経済破綻の片鱗が見え隠れしているということなのでしょう。それでもこの時期、エスクードの売れ行きはなかなかのものだったはず。だからこそコストのかかるV6から直4に主力をスイッチしても、エスクードからV6が消えることはなかったけれど、その最終モデル時代のカタログ写真となると、遊牧民の世界観はなくなってしまいます。