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  ~懲りない傾向~

行きつけの店 後編

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仰々しく前編、とやっていますから、そこで書いた長年付き合ってきたガソリンスタンドの知人たちはどうなったのだろうという部分については、当然ながら後編のお話が出てくるのであります。

そりゃもう、久々に出かけたらフェンスが張られてもぬけの殻となった店舗を前に、

「廃屋、満タンっ」

などとふざけている場合ではなかったですから、その店からいち早く転勤させられ、鹿島の方の店舗を任されたOくんに電話を入れました。

がしかし、その店舗も電話番号だけを残して別会社のスタンドに変わっており、万事休すかと思われました。ところが電話に出た女の子は会社が変わってもなお残留したアルバイトで、僕のことを覚えていたため、Oくんの転勤先を伝えてくれたのです。

するとこれが、栃木県。仙台と基地を結ぶルート上と言えば、ルート上ではありませんか。以前も千葉の勤務先と鹿島という位置関係だったから、立ち寄れない店舗ではなかったけれど、よくよくそういうつかず離れずのところに来るなあと驚かされまして、ちょうどオイル交換のタイミングも重なったことから、知らんぷりして訪ねてみることにしました。

O君は元気に出迎えてくれて、あの地元のスタンドの顛末と、散り散りになった人たちの消息を教えてくれました。O君だけが地元から遠く離れたものの、これはまだまだ若手だからいいとして、前店長は自宅の近くの職場に移ることができたらしい。店舗が変わるたびにそれぞれ苦労をしていた店長だったので、そこは安心。けれども、もうひとりのメカニックは、まだ失業保険で生活していて、戻ってくる様子がないとか。前店長のさらにもうひとり前の、最も古参の店長はだいぶ前に地元を去っていて、さすがにそろそろ定年時期なので、行方がわかりませんでした。

それでもO君が相変わらずのフットワークで仕事をしてくれているのが、なによりほっとさせられたのです。地元や鹿島よりも大きな店舗に来たばかりで、彼の働きはこれからでしょうけれど、きっと頑張りぬくはず。いや真面目な話、距離については一考するのだけれど、設備と値段じゃなくて、人を頼って通うことってあるんだよ。たぶん、この店舗には、時折立ち寄ることになるでしょう。