ウルトラアイを盗んだ少女が佇んでいそうな夕暮れ。その夜空の彼方から、恒星間弾道弾が飛来していることなどは、少女の存在と同様、街の人々は知る由もない。
という場面を思い浮かべてしまうほど、震災の記憶が打ち消されていく光の渦です。そこを襲ってきた震度4から5の、1分ほどの横揺れ。沿岸には津波警報。でも、あのときと同じ金曜日でありながら、往来する人は平然としている。
次々と着信する、安否を気遣ってくれるメールに返信をしながら、震度5には慣れてしまった自分自身に気づいて、なんだか申し訳なくなるのでした。