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  ~懲りない傾向~

救急病棟にて

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実は日曜日の夜、不覚にも38度の熱が出まして、病院に担ぎ込まれました。具体的な体温はわかりませんでしたが、よもやインフルエンザだったらどうすっか!と、救急車に来てもらったのです。その車内で問診を受けながら、どのくらいの熱だったのかを計ることとなり、急患を受け入れてくれる病院に搬送してもらうことができました。

結論から言えばインフルエンザの疑いはなく、血圧が異常に高いことと喉風邪という診断で、そんなんで救急車やら急患受入れやらを煩わせてしまって申し訳ないことになりました。が、救急隊員もドクターも親切に受け入れと対応をしてくれて、なにより対話ができていることのありがたさを実感しました。

14日のブログで「逃げ出しようのない境遇ながら、逃げ出したい場所のある人間にとっては、けっこうこたえます」と書きましたが、そのあとに、このくだりを綴るつもりが、気力が落ちて中途半端になってしまいました。

風邪の件とは別に、血圧に関して、茨城においては主治医の治療と指示を受けて薬の処方を受けており、先週末の帰省には医者にかかりに行くという予定があったのです。処方されている薬がなくなるタイミングでもありました。そこへ来ての被災で動きが取れなくなったため、これは困ったと思っていたところへのこちらの病院。迷惑をかけながらも、担ぎ込んでもらえたことがどう幸運だったかというと、被災以前の段階で、急病になった場合どこにどんな病院があり、どういう道順でそこへ行くかを熟知していなかったからです。かかりつけの主治医への信頼は大きいので、定期的に帰省してそこで診察を受けるからと、紹介状はいらないと言って仙台に来ていた。車の維持管理も、床屋に至るまで、いきつけに委ねていますから、すべて茨城。それを悪いとは微塵も思っていませんが、詰めの甘さも露呈しました。

なんだよ、よそ者を築き上げているのは自分自身なのだよ。

日曜日の昼間に痛感していた疎外感は、夜遅くに半分くらいは小さくなって、熱の下がるのと一緒に少し楽になりました。まあ書いちゃったものは取り消せないので、よそ者である事実は変わらないんですけどね。

という具合にやたらと長い前置き(前置きだったのか!)を切り上げて、担ぎ込まれた病院では、非常事態ゆえに処方してもらえる薬が2日分なのです。これが切れたらどうするのかという不安のもと、昨日、急患で入った診察代などを支払いに出かけ、この病院でのIDを取得してあらためて高血圧の診察を受け直し、30日分の処方を得ることができました。

が、院外処方で入ってみた薬局に、薬の在庫が充分にない。壊滅的被災地の避難所にさえ、満足に医薬品が行き渡っていないのだから、これは文句の言いようもない。店によっては最大7日分まで。という張り紙さえ出ています。このあたりでまた、地元の人なら短期に通院するのにも慣れているだろうしなあと、来たばかりの人間にとって厳しい現実を見るのです。3軒目の薬局で、14日分の受け取りができて、残りは医薬品が補充できたらという話となりました。ありとあらゆるものが枯渇していることをいろいろな側面から知らされます。

ところで、自分であんなセリフを、受け狙いでもなんでもなくいう羽目になるとは思いもしなかった、今回の急患。どこにある病院に搬送されたのか、わからない僕は、診察を受けて落ち着いたあと、まじめにこう言うしかなかったのです。

「あのー、ここはどこなんでしょうか?」