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  ~懲りない傾向~

チカラ

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陸前高田岩手県陸前高田市は湾に面した街であったことから、その中心地はほぼ壊滅し、地盤沈下によって国道直近まで入江のような水際ができています。高田松原の六万とも七万とも言われた松林も、あの一本を除いて消失しました。今なお一面の荒野です。が、被災前の空撮写真と比べると、市街地と農地が混在しておりけっこうな面積の農地が広がっていたこともわかります。

ここに昨年から気仙川をまたいだ巨大な吊り橋がかかり、これが今年に入ってとてつもない勢いで拡散・延伸していて、さながらジェットコースターでも作り始めたのかと勘違いするほどの変貌です。

もちろんこれはジェットコースターなどではなく、ベルトコンベア。川の向こう岸にある山肌を削り取った土を、被災地の土地の嵩上げのために使われる装備です。山ひとつ削って捻出する量の土砂なので、ダンプトラックでちまちまと運搬していては時間がかかりすぎるし、ダンプトラック自体があちこちの被災地でフル稼働していて台数が足りないのだから、ベルトコンベアで運び出そうという考えです。

嵩上げの工事が完了するまで、陸前高田の今ならではの風景になるでしょう。宮城県の東松島市でも、ここより少し規模の小さいベルトコンベア網ができています。ずっと昔、福島県の小名浜の港を整備したとき、同じように背後地の山から何キロもの距離を何条ものベルトコンベアが掛けられて土砂運搬に活用されたそうで、それと同じ発想。しかし当時は高度経済成長期のイケイケな機械化で、現在はマンパワー不足を補う機械化。それも復興という大前提が無ければ決意しないだろうというチカラの発揮です。