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  ~懲りない傾向~

恐るべき黙示録

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デビルマンやバイオレンスジャックがどれだけのインパクトを保有していようとも、僕自身の中ではハレンチ学園の第一部結末として描かれたハレンチ大戦争の顛末こそに怖さを覚え、今なおそのポジションは崩れていません。

まあ無理もないよね。小学生でしたし、なんだか大人がヒステリックになって永井豪さんを糾弾していたし、少年ジャンプは隠れて読まないと危険と思い込まされるような風潮の中、

「社会秩序の乱れをもたらすハレンチ学園をもろとも抹殺すべし、という国家が繰り出す大教育センターの軍隊による蹂躙に加え、次々と惨殺されていく登場人物やその身内」

の展開が毎週エスカレートしていくわけですから。

その後、マジンガーZの連載が始まって、ようやく安心して買ったジャンプを家に持ち帰れるようになり、しばらくしたら今度は少年マガジンでデビルマンが描かれ再び恐いものを読まされるのだけれど、先住人類デーモンという設定が、そりゃ面白いにしても空想的な距離感を覚えたのです。

それに対してハレンチ大戦争編というのは、粛正する側、抵抗する側、巻き添えとなる者の全てが、人間のエゴそのもののぶつかり合いでした。絵空事の中に言いようのないリアリズムを突き付けられ、永井さんご自身が大人からの糾弾に対し抵抗し反撃し続けたストーリーに押しまくられたのです。これをあの年齢で読んじゃったら、後から来るあばしり一家やデビルマンには悪いけれど金字塔はこっちになってしまうのです。

どうも本日刊行される第三巻で、あの惨劇が蘇るらしく、今の世の中でこれを読んだらどう感じるのか誰彼と無く問いかけてみたい気持ちです。

すっかり忘れてたけど、山岸とか十兵衛って、このとき12歳という設定だったんだ。