「機械の体をもらいに行きたいので、銀河鉄道のパスを手配いただけないか」
友人からのメールはいつもの如しだったが、いつもと違っていた。
「あー、メーテルさんは要りません。独り旅と洒落込むつもりだから」
パスを(まあ偽造だけどね)発行しながら、腑に落ちない文面に、何事ぞ? と尋ねたら、重い病の報が届いた。
そんな、俺より若いじゃねーかよ。そのうえ、俺なんかよりずっと知力も体力も使いこなしているはずなのに。
偽造とはいえ、パスなど発行すべきではなかった。そもそも偽造なので、銀河鉄道には乗れるはずはないのだけれど。
だが999もどうやらまだ完結には程遠いらしいし、銀河鉄道の夜にしたところで「第3稿」まではあの結末ではなかった。
どうせ改札を通れない無期限・無制限だけど無効なパスだ。まだ何か手立てはあるかもしれない。
あってほしい。