Trend-Blue

  ~懲りない傾向~

デビューの時代

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ヒーローもののテレビ番組にスズキエスクードが登場したくらいで浮かれていた時代があります。いやまったく、だからどうしたの話です。だけど宇宙刑事に支給されたか彼らが現地調達したかの移動手段がスズキジムニーだったのに対し、平成に入ってからのメタルヒーローはエスクードに乗ったという事実は、当時としては画期的なことでした。知りうる限りで、その先駆者となったのが「機動刑事ジバン」(89年)に登場する覆面パトカーのTA01R。いきなりコンバーチブル。

幌車にパトライトどうやってくっつけるんだ? とびっくりですが、フロントグラス上部のフレームにはそこそこの幅があり、レザートップをかぶせてもマグネット取り付けは可能です。年次が89年スタートの番組ですから、このエスクードは1型。ドアにESCUDOのバッジをつけていることで識別できます。しかしパトライト以外は何一つ架装されていないどノーマルで、どうやらATモデル(1型なので3速)です。どうでもいいことですが、うちのぷらすBLUEと同じ車体色。

機動刑事は、地球侵略を謀るバイオロンに対する特別立法で活動するサイボーグ。セントラルシティ警察署勤務の田村直人刑事がその素顔です。田村刑事は1965年生まれという設定なので、20代半ばにジバンとなっているわけですが、この風貌は当時をよく表していてスーツなんか肩パッドが目立つこと。それはさておき、ジバンプロジェクトが秘匿された運用のため、日頃は昼行燈でドジな刑事を演じており、捜査においてこのエスクードを活用していました。

jiban04が、バイオロンの暗躍を察知するや機動刑事に変身すると、エスクードは置き忘れられポンティアック・ファイヤーバード・トランザムをベースとしたスーパーパトカー・レゾンや、GSX-R250がベースの攻撃型オートバイ・バイカンに乗り換えちゃうのが哀しい。余談ですが、機動刑事ジバンはメタルヒーローシリーズの第8弾。次作の「特警ウインスペクター」と直接の繋がりはありませんが、このエスクードが密かに受け継がれています

回帰大作戦

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ゆうきまさみさんが週刊少年史の連載を始める折、たぶん月刊ニュータイプあたりの連載コラムか何かで綴っていたことがあります。

今度、商業誌に書くことになってとメジャー誌デビューのことを言ったら、ファンの人から「〇○〇ですか」と聞かれ、それについて「メジャー誌って、どんな田舎の駅の売店でも買えるものだと思うんだけど」とつぶやいている展開でした。

詳細な記述なんか忘れてますが、だいたいそんな感じ。

その氏漫画家35周年企画という文芸別冊に至っては、発売2日めで仙台市内中の書店という書店に既に無いのか回ってこないのかのまるぼし状態で、結局注文したら第2版がやってきました。とあるかなり大手の書店の検索システムではこのムック自体がリストになかった(同誌の他の企画ものはラインナップされているのに)ところをみると、ノーマーク。うむむ・・・やっぱり一般的な知名度は低いのかと思いきやの重版出来ですから、何が何だかわかりません。

内容? こんなの漫画以上に面白いわけないじゃないですか(超問題発言)。アニパロデビュー時代から知っている作家だから、雑誌に載る対談やインタビューはいろいろとリアルタイムで読んできたし、その都度が面白かったのです。しかしそれは、その時そのときの連載がより面白かったからでもある。だから今回も連載の次に面白い。

とはいってもインタビューや対談を一読してみて、発言していることに昔とブレが無いところは実にほっとさせてもらえます。その辺は、別のムック、ゆうきまさみ年代記と読み合わせればわかります。だけど対談はともかく、3万字に及ぶというインタビューは、インタビューしている人が楽しみすぎで発言(文字数)多すぎ。ところにより本人のコメントの方が短いんだもの。

そして偉大なる予告ですが、あと5年後の漫画家生活40年めにこの手の企画が実現する場合、30年の時に描いている「究極超人あ~る」の続きを描きたいそうです。続くんですか、あの話!

 

宇宙からの遠い声

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エメラリーダ昨日の「バッカス三世」はイオンエンジンでしたが、プレアスターあるいはリアベ号もしくはエメラリーダ号(僕は乗り物に「号」とつくのは陳腐だと思っているのですが、今回は号をつけないと人物と混同してしまうので止む無く付けます)は、さらに進んだ光子帆船スターライト号・・・よりも、たぶん進んでいます。出発地から照射するレーザーを帆に当て推進力としたのがスターライト号で、恒星が発する光やイオンなどを帆で反射し推力に変える「ソーラーセイル」の発展形です。

しかしプレアスターの場合、帆で受けた光をエネルギーに変え、エンジンの動力源とするということなので、帆が直接推力を発生させるわけではなく、エンジンが働くという点で、より強力な推進力を持つ外宇宙航行船舶と言えるでしょう。後に横浜の港から、日本丸もM78星雲に向けて飛び立ちましたが、あれなんか超空間航法も備えていました。プレアスターもきっと、それくらいのスペックを有していると思われます。

幽霊船とまあ、船の話は書きたいけれど、映画の方はもう冒頭に流れる「エメラリーダのテーマ」曲とこの船以外は語りようもないとほほな出来栄えなので、すっとばします。でも誰が何と言おうと、プレアスターは古今東西の宇宙船の中でも群を抜いて優雅で美しい。これは「宇宙からのメッセージ」の企画スタッフに、石森章太郎(当時)さんが参加していたことと、東映では昔、石ノ森さんがかかわった「空飛ぶゆうれい船」があったからこそのデザインワークスでしょう。

ゴーカイガレオン東映直系の宇宙帆船には、ゴーカイガレオンなる真っ赤な海賊船(黒いでかいのもある)があげられますが、母艦だけならまだしも母艦並みの大きさのゴーカイマシンを搭載していたりそれらがドッキングして巨大ロボになったり、破天荒すぎてその動力源や航行システムのすべてにおいてわけがわかりません。持ち主がゴーカイな奴らですから、細かいことを気にしていたらきりがないのですが。

バウンティスタそんなわけで、強引に宇宙帆船は美しい。日本丸だって出港しちゃったんだから、宮城県にあるこのガレオン船も、いつの日か太陽風を受けて飛び立つ日が来てくれないものかと想像してしまいます。

 

宇宙への遠い道

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itokawaうちのエスクードの積算走行距離とリンクさせ、この数年アポロ計画の話ばかり書いていましたが、7月20日といえば我が国のロケット技術における草分けとなった糸川英夫さんの誕生日でもあります。糸川さんが50年前に火薬燃焼によるペンシルロケットを飛ばして以来、後進の技術者が固体燃料から液体燃料へとロケット技術を進化させ、小惑星探査機では電気推進という新機軸を生み出すに至っています。

bc-3糸川さんご自身は1967年で宇宙開発の現場からは退いていますが、「ケースD ‐見えない洪水‐」「21世紀への遺言」のようなシミュレーションに基づく未来予測に長けております。その一方で、保有技術を飛躍させたSF分野での監修も多く手掛けていました。ここに引き合いに出している宇宙船は、糸川さん監修によるイオンエンジン。つまり電気推進理論の発展型を搭載しており、巡航速度0.2光速という優れものです。

bc3何が優れものかって、密度の濃い大気圏内では不向きなイオンエンジンであるにもかかわらず、この船は地上に降りてきちゃうという。そこで改修を受け最高速度0.8光速に至るプラズマパワーユニットを組み込んでいますが、それがなかったら再び大気圏の外には出られなかったのではないか?(プラズマで電気推進を上回る推力が出せるのかどうかは知りませぬ)

しかしせっかくの監修も商品展開には理解されていないようで、模型やら玩具やらの箱書きスペックにはワープドライブだの航続距離無限だのというとんでもな表記がなされてしまい、今や半分くらい定説設定になりかけているようです。それをさしひいても、全長70m、総重量550tという質量の有人宇宙船ですから、それを飛ばすというだけでもこのイオンエンジンは、はやぶさ2に比べたらすさまじい技術革新が盛り込まれているのです。

儲けたいのは誰だ!?

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009vsdm先月には発表されていたようですが、本日が「サイボーグ009の日」だというので、言わずにはいられない。

「これは・・・ナンセンスだっ」

サイボーグ009vsデビルマン

 

しかもまたもや宮城じゃかからないっ

生みの親の故郷だぞ?・・・あ、石川県も外れてる。

さてどーすんでしょ。加速装置はあるけど空を飛べない島村ジョーのために、ギルモア研究所では002ことジェット・リンクを再改造してジョーとドッキングする能力を持つジェット・リンク・スクランダーに・・・そのさなかにデーモン族と組んだ黒い幽霊団が不動明を拉致して処刑を! さあ行け空飛ぶサイボーグ戦士・・・

そんなわけねーだろっ

デビルマンのファンの方々には失礼を承知でぼやかせていただきますと、デビルマンそのものの物語はすごいし唸らされるのですが、僕などの世代はそれより以前に、ハレンチ学園と出会ってしまっているのです。僕なんか小学校の低学年です。

序盤や中盤の展開は、まああちこちで語られている風評に準拠するかもしれませんから、僕も親に隠れて読んでいたし、少年ジャンプを買いに行った本屋のおばちゃんからも白い目で見られたものです。が、第一部の終幕となるハレンチ大戦争編に物語が及んだ時点で、風紀上好ましくないと判断された学園に対して、大日本教育センターとやらが軍を出動させ、学園はおろか周囲の市街地から住民に至るまでを殲滅し始める。そこから始まる惨劇には、何も悪魔族やサタンの力を借りるまでもない、体制に狩られる自由の主張が容赦なく描かれ蹂躙されるのです。

あの結末をデビルマンよりも先に見てしまっていると、デビルマンのアドバンテージは作画タッチの変化くらいでしかなく、トラウマにもなり得なかったのです。今だったらもっと凄まじい漫画もあるのですが、当時受けてしまった衝撃とトラウマの前にはどうしても霞んでしまいます。ハレンチ学園は決して、スカート捲り談義の素材で片づけてはならない恐ろしさを秘めています。

あーいや、それは今回は関係ないんだ。

この003は無い翻って009にしてもです。今回の予告映像を見る限りの、ミュートスサイボーグ編らしき作画の下手さ加減。

今どき珍しいほどのレベルで、あのまま作っちゃうのかこの映画?

 

 

今尚近未来の1980年

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shadoロバート・マイアルが書いた早川文庫のノベライズ(もちろん和訳されてるやつね)を読み始まってしまったのです。
45年前に描かれた“10年後の近未来”が、いまや35年前の時代の物語。
『謎の円盤UFO』のテレビ放送は1970年、文庫は75年に発刊されているのですが、読み返してみると、まだ近未来で通じる部分があり、実用化されてしまった技術と入り混じりながら、人類其処まで到達できてない世界が広がっています。
しかし70年とか、75年かい。
「アポロ11の月面着陸」で科学的なことなど判らずテレビに食い入った1年後、
「1980年、既に人類は・・・」

とやられてしまって、「月」という天体が脳裏にぐりぐりと食い込まされたのは、どうもこの辺が元凶であったらしいです。

この当時、自家用車が30万キロを走るなどということは、およそ考えられないと思われていたでしょう。
実際、この頃の我が家のクルマは10万キロを走るどころか、せいぜい3万キロ程度で、車検毎に乗り換えられていた(くそお、なんてもったいない)
道路事情も悪かったし、クルマ自体の耐久性もなかった(ろくなクルマに乗っていなかったという説も・・・)。ところが海の向こうでは、超近代兵器が未確認飛行物体と闘っていらっしゃるようなドラマ。
しかも、羨望の的であったウルトラ警備隊の超兵器など足元にも及ばないかっこよさ。ただし登場人物が常用する自動車だけはモーターショーのコンセプトカーみたいに現実離れしすぎていて好きには慣れなかったけれど、防衛兵器の映像に関しては カルチャーショックでした。

小説の方を読む弊害としては、これらの映像が場面を補完してしまうことで、脳内ではBGMまでリピートされ、登場人物が声優の声でしゃべるのがいけない。もっとも小説自体が「UFO」の番組シナリオからいくつかのエピソードを抽出して構成されているので、ある程度記憶がリピートされてしまうのですが。

 

海   へ

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海へ再び健さん映画ですが「海峡」より早く放送されたのが意外だった「海へ ~see you~」は、土木映画同様これまた数少ないパリ・ダカールラリーを素材にした邦画。88年1月が舞台なので、残念ながら逆立ちしてもエスクードは走っていませんが、2時間53分の上映中、かなりのラリー実景が観られるという、その意味では貴重な映像です。邦画で同類のものは、それより2年前のレースを素材にした「パリ・ダカールラリー栄光への15000km」くらいしかありません。

炎上するレンジローバーを背にして膝まづく健さん、というシーンは実際には無いのですが、この場面自体は映画の後半の重要なシークエンスで、犯罪・ギャング映画といえばこの人というジョゼ・ジョヴァンニが原案をまとめたというだけあって、フランス映画っぽい男と女の結末に結びつくのですが・・・ この映画はなにしろ原案を持ちながらこっちの超有名脚本家がシナリオを起こしているため、用もないのに出てくる健さんのキャラクターとしての掘り下げパートが映画を台無しにしちゃう、駄作扱いの票が多い作品。ラリーに興味がなかったら、3時間近く映画館にいられないとまでの言われようです。

しかしながら、ドスやら拳銃やら自動小銃を振り回す健さんではなく、はたまた年老いた駅員などでもなく、まだ現役の職人(カミオンドライバー兼メカニック)という健さんを見ることができるという意味でも、海峡の土木屋と並んで貴重なのであります。あ、88年ですから、あの篠塚健次郎さんもちらっと出てくるんだけど、もう若いのなんの。

錆も腐食も無い

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男爵昨日の記事で使いきれなかった挿絵を使いたくて仕方がないのが見え見えですが、レッドバロンは動力源が原子力という部分を除けば、当時としてはジャイアントロボを凌ぎ、光子力エンジンのマジンガーZに動力とコンパクトさを譲った、超一級のスーパーロボットです。ジャイアントロボよりどう優れているかというと、身長が10m高いにもかかわらず、初期のボディーはロボより400tも軽いことです。ただし音声認識で遠隔操作できる点は、ロボが先んじています。

男爵2ロボもバロンも音声認識により最初に入力された声の主にしか反応しないセキュリティーがあり、当時は画期的なシステムでした。さらにバロンは指紋認証を操縦桿に施し、二重に強奪対策を用意していました(声紋と指紋をコピーされるとお手上げ。しかしそれ自体、現代の認証システムが持つリスクアピールを70年代にやっていた)。耐衝撃対策はたいしたことのない操縦室において、100円(当時)で一定時間稼働する冷房装置を備えていたのが特記事項。

SSIこれは、どこの操縦型ロボットにもない(一例だけパロディーあり)独創的な装備です。が、どう考えても後付けじゃないかこれ? と思わされもします。レッドバロンの開発工程は明らかにされていませんが、紅健一郎博士の個人計画で、完成に4年をかけている。資金繰りを考えると、くだんのレンタルエアコン販売会社などは紅博士のスポンサーのひとつであった可能性が高く、音に聞こえたスーパーロボットにも採用されているという映像CMが流れていたのは有名な逸話です。

バロンと共に戦うSSIという組織も、後半には地球防衛軍の傘下に組み込まれますが、それ以前は極めて私的な構成で稼働していた節があり、機動力と言えばオペル・マンタの改造仕様とスズキジムニーとオートバイ程度。紅博士がバックについていたかもしれませんが、バロンの開発費に私費を投じ、完成したらしたで維持費に翻弄されるのは避けられない展開。SSIには苦労をかけっ放しだったようですが、おかげでバロンは部分破壊されることがあっても錆びついたり腐食したりすることもありませんでした。

7月7日に生まれて

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北斗と南勇気ある看護師、無鉄砲なパン屋の店員。2人はともに7月7日を誕生日とするも、あるとき異次元人の侵略に遭遇しなければ、大いなる力を授けられるどころか出逢いすらなかった不思議な宿縁を秘めていました。北斗星司と南夕子。ひととき、2人にウルトラマンエースの力が授けられましたが、実は南夕子は怪獣ルナチクスに滅ぼされ(かけて)いた月星人。地球に出現したルナチクスを撃退した後、彼女は月から逃げ延びた仲間の居る冥王星に去っていくという驚きの展開でした。

北斗と南2ウルトラ世界観を研究したり評論する人々の中には、「南夕子こそ、ウルトラ兄弟がエースの力を与え、ルナチクスへの復讐を手助けしようとした人物」という説を唱える人がいます。北斗星司は、たまたま居合わせちゃって、超獣にタンクローリーで突っ込んじゃったんで、見るに見かねたウルトラ兄弟の救済枠に組み入れてもらえ、夕子の闘いに力を添えるためエースの相方に選ばれた。という一説は、2人の資質や立ち位置を思い出すと、はー、なるほどと思わせる面白さがあります。

南夕子むろんその説は、夕子が月からの亡命者で、使命を果して地球を去った。という展開を見てから成立するもので、夕子が物語から去るというシナリオは番組企画当初には存在しない設定ですから、2人が出逢った瞬間は、夕子は間違いなく福山市の病院に勤める7月7日生まれの看護師だったのです。とはいえ、様々な事情でこのようなドラマの切り替えを余儀なくされたことで、七夕の日が誕生日という2人には、ウルトラスケールの織姫と彦星にも似た間柄が生まれるのでした。

ウルトラリング残念なことに夕子が地球を去るのは秋の満月。後のウルトラマンタロウに当人が客演するのも年末の餅つき。誕生日が同じ2人の設定は、この苦肉の策が無ければ活かされなかったと思われます。それにしても、ヘルメットを被る星光子さんは初々しさの中にもフジ隊員、アンヌ隊員、丘隊員よりも職業隊員な凛々しさがあります。彼女の娘である紫子さんが星司と夕子の娘「北斗七海」として登場した「大決戦!超ウルトラ8兄弟」では、往時の光子さんによく似ていて見とれたものです。

 

海   峡

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海峡土木工事を題材にした映画といえば、多くの人々が昭和四十年代の「黒部の太陽」をあげてきますが、この黒部ダム大町トンネル工事に従事したり関係した人たちも大分、現役を退きました。この映画で土木の技術者を目指したという人たちもまた、同様です。そんな憧れのエピソードをよく聞かされたものですが、最近はこの手の映画がないので、若手と対話してもまず出てきません。

ガッツポーズをしている高倉健さんは、黒部の太陽とは無関係です。これは昭和57年公開の「海峡」。青函トンネルの先進導坑が貫通した瞬間のシーン。これを観て土木屋になろうと思った、という技術者さんとは、まだ出会っていません。職業選択のあり方がそれだけ変わったということでしょうか。僕は公開当時劇場で観たものの、土木屋になろうとは思わなかったんだけど。

「海峡」も、そういえば地上波放送された記憶がなくて放送履歴を覚えていないのですが、健さんが亡くなってWOWOWが企画ものとして組んだシリーズの中でも、ずいぶん後回しで放送に乗りました。レンタルビデオで観てからもう30年近くになります。

来年は北海道新幹線が開業するので、地上波でも流してほしい映画ではあります。いや黒部ほどの派手さはないんだけれど、大谷直子と吉永小百合の美貌ぶりだけでも一見に値するのよ(そこか⁉)